FXのIFD注文とは、新規注文と、その新規注文が成立した後に有効となる決済注文をセットで予約する方法です。「希望価格で買えたら、次はこの価格で売る」という順序をあらかじめ決められます。ただし、1つの決済注文だけでは利益確定と損切りの両方を同時に管理できません。この記事では、5ステップの設定方法、数値例、OCO・IFOとの違い、注意点を初心者向けに解説します。
この記事で分かること
- IFD注文の意味と、2つの注文が動く順序
- 新規注文と決済注文を設定する5ステップ
- 1,000通貨・1万通貨で取引した場合の損益例
- OCO注文・IFO注文・通常注文との違い
- 有効期限やスリッページなどの注意点
FXの口座開設から少額取引までの全体像は、親記事のFX初心者の始め方5ステップで確認できます。
FXのIFD注文とは?新規と決済を順番に予約する仕組み
IFDは「If Done」の略で、一次注文が約定した場合だけ二次注文を有効にする注文方法です。
例えば、現在のドル円が150.00円のとき、「149.50円まで下がったら買い、その後150.30円まで上がったら売る」という2段階の注文を一度に出せます。149.50円の新規買いが成立しない限り、150.30円の決済売りは有効になりません。
SBI FXトレードの公式FAQでも、新規注文と決済注文をセットで発注し、新規注文が約定すると決済注文が有効になる仕組みと説明されています。注文名称や設定画面、選択できる有効期限はFX会社によって異なるため、利用先の公式マニュアルも確認してください。
| 段階 | 注文例 | 状態 |
|---|---|---|
| 一次注文 | 149.50円で新規買い | 最初から有効 |
| 二次注文 | 150.30円で決済売り | 一次注文の約定後に有効 |
| 一次注文が未約定 | 149.50円に届かない | 二次注文は待機したまま |
IFD注文では利益確定と損切りのどちらを設定する?
二次注文には利益確定または損切りのどちらか1つを設定するのが基本です。
利益確定型は目標価格で自動決済する
149.50円で買い、150.30円で売る例では、二次注文は利益確定の指値です。新規注文が約定した後、目標価格へ到達すれば自動決済されます。チャートを見続けられない時間でも、事前に決めた出口を維持できます。
損切り型は許容損失を先に決める
149.50円で買い、149.00円で売るように設定すれば、二次注文は損切りの逆指値です。利益確定は手動で行う必要がありますが、損失を限定する注文を新規注文と一緒に予約できます。
利益確定と損切りを両方設定するならIFO
新規注文の成立後に利益確定と損切りの両方を有効にしたい場合は、IFDとOCOを組み合わせたIFO(IFD-OCO)が候補です。IFDだけで両方が自動設定されると思い込まないよう、注文確認画面で二次注文の数を確認しましょう。
FXのIFD注文を設定する5ステップ
売買方向、新規価格、決済価格、数量、有効期限の順に確認すると入力ミスを防ぎやすくなります。

ステップ1:通貨ペアと売買方向を選ぶ
最初に米ドル/円などの通貨ペアを選び、買いから入るのか、売りから入るのかを決めます。表示中の通貨ペアと発注画面の通貨ペアが一致しているか確認してください。
ステップ2:新規注文の価格を設定する
指値または逆指値などから新規注文の条件を選択します。現在価格より安い水準で買うなら買い指値、上抜けを確認して買うなら買い逆指値というように、狙う場面によって使い分けます。基本は指値注文と成行注文の違いも参考にしてください。
ステップ3:決済注文の価格を設定する
新規注文が成立した後の出口を入力します。利益確定にするのか、損切りにするのかを明確にし、チャート上の高値・安値だけでなく許容できる金額から決めましょう。
ステップ4:取引数量と有効期限を入力する
1,000通貨、1万通貨などの数量と、当日・週末・日時指定などの有効期限を選びます。名称や期限の選択肢はFX会社ごとに違います。初心者は少額から操作を確認すると、入力ミスによる影響を抑えられます。
ステップ5:2つの注文内容を確認して発注する
一次注文と二次注文の価格、売買方向、数量、有効期限を読み上げるように確認します。発注後は注文一覧を開き、2つの注文が受け付けられたことも確認してください。
FXのIFD注文を数字で確認|ドル円の損益例
設定価格の差を通貨数量に掛けると、手数料要因を除いた概算損益を把握できます。
ドル円を149.50円で買い、150.30円で利益確定する場合、値幅は0.80円、つまり80pipsです。1,000通貨なら概算利益は800円、1万通貨なら8,000円です。
| 取引例 | 値幅 | 1,000通貨 | 1万通貨 |
|---|---|---|---|
| 149.50円買い→150.30円決済 | +80pips | +800円 | +8,000円 |
| 149.50円買い→149.00円損切り | -50pips | -500円 | -5,000円 |
計算は「価格差×通貨数量」です。実際の損益にはスプレッドによる取引コスト、スワップポイント、スリッページなどが影響します。この数値例は利益を保証するものではありません。
損失額から数量を逆算する
50pipsの損切りで最大損失を1,000円以内にしたい場合、単純計算では2,000通貨が目安です。取引数量を先に大きく決めるのではなく、損切り幅と許容損失額から逆算しましょう。
IFD注文・OCO注文・IFO注文の違い
IFDは注文の順番、OCOは2注文の選択、IFOは新規注文後の2つの出口をまとめて管理します。
| 注文方法 | 注文の構成 | 主な用途 |
|---|---|---|
| IFD | 新規1つ+決済1つ | 入口と1つの出口を予約 |
| OCO | 同時に2つ、一方成立で他方取消 | 利益確定と損切りの管理 |
| IFO | 新規1つ+決済OCO | 入口・利益確定・損切りを予約 |
| 通常の指値・逆指値 | 注文1つ | 指定条件で売買 |
すでに保有しているポジションの利益確定と損切りを管理する場合は、FXのOCO注文の設定方法が参考になります。損切り注文の考え方はFXの逆指値注文を使う5ステップで確認できます。
FXのIFD注文を使うメリット
入口と出口を同時に決められるため、取引中の迷いと注文忘れを減らしやすい点がメリットです。
- 相場を見続けなくてよい:仕事中や就寝中も条件に達すれば注文が処理されます。
- 取引計画を形にできる:エントリー前に出口まで決める習慣がつきます。
- 決済注文の出し忘れを防ぎやすい:新規約定後に二次注文が有効になります。
- 感情による判断を減らせる:含み益・含み損を見て場当たり的に判断する場面を抑えられます。
ただし、自動で発注されることと、安全な価格設定であることは別です。取引数量が大きければ、わずかな値動きでも損失額は大きくなります。
FXのIFD注文を使う前の注意点5つ
注文の有効期限、二次注文の内容、約定価格、数量、発注状況を必ず確認してください。
1.利益確定と損切りを両方設定したつもりにならない
通常のIFDで予約する二次注文は1つです。利益確定だけを置けば、相場が反対方向へ動いたときの損切りは自分で管理する必要があります。両方が必要ならIFOの仕様を確認します。
2.有効期限切れ後のポジションを確認する
新規注文が期限内に成立しなければ、セット注文全体が取り消される場合があります。一方、新規注文の成立後に決済注文だけが期限切れになると、ポジションが残ることがあります。注文履歴と建玉一覧の両方を確認しましょう。
3.逆指値は設定価格での約定を保証しない
経済指標、要人発言、週明けの窓開けなどで価格が急変すると、逆指値の設定価格より不利な価格で約定する可能性があります。価格差が生じる仕組みはFXのスリッページが発生する原因も参考になります。
4.発注後に注文一覧を確認する
通信切断や操作ミスにより、注文が送信できていない可能性もあります。「注文ボタンを押した」という記憶ではなく、受付番号や注文一覧で状態を確認してください。
5.重要指標前は数量を抑える
米雇用統計や政策金利発表の前後は、スプレッド拡大や急激な値動きが起こることがあります。取引を見送る、数量を抑える、余裕のある証拠金を用意するなどの選択肢を検討しましょう。
金融先物取引業協会は、FXでは少額の資金で大きな取引が可能な一方、多額の損失を被る危険があるため、仕組みとリスクを理解し、自分の資力や経験を踏まえて判断するよう案内しています。
IFD注文が向いている人・向いていない場面
価格と出口を事前に決められる人には便利ですが、方向感がなく計画を作れない場面で無理に使う必要はありません。
| 向いている人・場面 | 慎重にしたい人・場面 |
|---|---|
| 仕事中にチャートを見られない | 注文画面の操作にまだ慣れていない |
| 入口と出口を数値で決められる | 利益確定と損切りの両方が必要 |
| 指値で押し目・戻りを待ちたい | 重要指標直前で値動きが荒い |
| 少額で注文練習をしたい | 有効期限を確認できない |
発注スピードだけでなく、注文の成立しやすさも確認したい場合は、FXの約定力を比較する5つのポイントも役立ちます。
FXのIFD注文についてよくある質問
IFD注文は初心者でも使えますか?
利用できます。最初はデモ取引または少額取引で、一次注文と二次注文の売買方向、価格、数量、有効期限を確認してから使いましょう。
IFD注文で損切りも設定できますか?
二次注文に逆指値を指定できるFX会社なら損切りを予約できます。ただし、通常のIFDで設定できる二次注文は1つなので、利益確定と損切りの両方が必要ならIFOを確認してください。
新規注文が成立しなかった場合はどうなりますか?
新規注文が成立しなければ、決済注文は有効になりません。有効期限が切れたときの扱いはFX会社の取引ルールで確認してください。
IFD注文は途中で変更できますか?
未約定注文は訂正または取消ができる場合がありますが、訂正可能な項目や操作方法はFX会社によって異なります。公式マニュアルを確認してください。
IFD注文とIFO注文はどちらを選べばよいですか?
新規注文と1つの決済を予約するならIFD、利益確定と損切りの両方まで予約するならIFOが候補です。必要な出口の数で使い分けます。
まとめ|FXのIFD注文は入口と出口を数値で決めて使う
FXのIFD注文は、新規注文が成立した場合だけ決済注文を有効にする、順序付きの予約注文です。
- 一次注文が未約定なら二次注文は有効にならない
- 通常のIFDで予約する決済注文は1つ
- 利益確定と損切りの両方を予約するならIFOを確認する
- 数量は損切り幅と許容損失額から逆算する
- 有効期限、約定状況、注文一覧を必ず確認する
便利な注文方法でも利益が保証されることはありません。最初は少額で操作を確認し、スプレッドやスリッページを含めた損失リスクを理解してから利用しましょう。
投資に関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や取引方法を推奨するものではありません。FXには為替変動、レバレッジ、スリッページなどのリスクがあり、預けた証拠金を上回る損失が生じる場合があります。契約締結前交付書面を確認し、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

