「株価が下がったとき、自動的に売る方法はある?」
「仕事中に株価を見られないけれど、損失を大きくしたくない」
そんなときに使われる注文方法が、株の逆指値注文です。
逆指値注文は、あらかじめ決めた価格まで株価が動いたときに、指定した注文を発注する仕組みです。
たとえば1,000円で買った株について、
「900円以下になったら売る」
という設定ができます。
日本取引所グループ(JPX)の逆指値注文解説でも、株の逆指値注文は株価が一定価格以下になったら売却するなど、損失を限定する目的で利用されることが多いと説明しています。
この記事では、逆指値注文の仕組み、損切りでの具体的な使い方、指値注文との違い、初心者が注意したいポイントを解説します。
株の逆指値注文とは?
指定価格に到達したら注文を出す方法
逆指値注文とは、株価があらかじめ設定した価格へ到達したときに注文を発注する方法です。
通常の指値注文とは動き方が逆になります。
たとえば現在株価が1,000円なら、
「900円以下になったら売る」
と設定できます。
この900円を一般的にトリガー価格と呼びます。
DMM株の逆指値注文ガイドでも逆指値について、
株価が指定したトリガー価格以上または以下へ到達したタイミングで、買い注文または売り注文を市場へ発注する方法
と案内しています。
逆指値注文はなぜ損切りに使われる?
株価をずっと監視しなくても売却条件を決められる
たとえば100株を1株1,000円で買ったとします。
購入金額は、
1,000円 × 100株=10万円
です。
しかし株価が下落し、
1,000円
↓
950円
↓
900円
↓
850円
となる可能性があります。
そこで買った時点で、
900円以下になったら売る
という逆指値を設定しておきます。
株価が900円へ到達すると、設定していた売り注文が発注されます。
損失額の目安は、
(1,000円-900円)×100株
= 1万円
です。
何もしなければ株価が700円、600円まで下落する可能性もあります。
逆指値を使えば、どこまで下がったら損失を確定するかを事前に決められます。
指値注文と逆指値注文の違いは?
指値は有利な価格、逆指値は不利な方向への動きで発動
初心者が混乱しやすいのがこの違いです。
| 項目 | 指値注文 | 逆指値注文 |
|---|---|---|
| 買い | 指定価格以下で買う | 指定価格以上で買う条件に使える |
| 売り | 指定価格以上で売る | 指定価格以下で売る条件に使える |
| 主な用途 | 希望価格で売買 | 損切り・上昇確認後の買い |
| 発注タイミング | 最初から市場へ注文 | トリガー到達後に注文 |
たとえば現在1,000円の株を保有している場合、
1,100円で売りたい
→ 通常の指値
900円まで下がったら売りたい
→ 逆指値
という使い分けです。
通常の指値注文では、買いなら指定価格以下、売りなら指定価格以上で売買します。
逆指値注文には「成行」と「指値」がある
トリガー到達後にどんな注文を出すか選ぶ
逆指値注文では、
「900円になったら売る」
だけではなく、その後にどの注文を出すか設定できる証券会社があります。
DMM株では、逆指値の執行条件として、
- 指値
- 成行
を選べます。
逆指値+成行とは?
トリガー価格に達したら成行売りを出す
たとえば、
- 現在株価:1,000円
- 逆指値トリガー:900円
- 執行条件:成行
と設定します。
株価が900円以下へ到達したら、成行売り注文が市場へ発注されます。
メリットは約定を優先しやすいことです。
損切り目的の場合、
「多少価格がずれても、とにかく売却したい」
という場面で使われます。
ただし、必ず900円で売れるわけではありません。
相場が急落した場合は、
- 895円
- 880円
- 850円
など、トリガー価格より低い価格で約定する可能性があります。
逆指値+指値とは?
トリガー到達後に指定価格の売り注文を出す
たとえば、
- 現在株価:1,000円
- トリガー:900円
- 売り指値:895円
と設定します。
900円まで下がったら、895円の指値売りが市場へ発注される仕組みです。
価格をコントロールしやすい反面、株価が急落すると売れない可能性があります。
たとえば900円へ到達した直後に850円まで急落すると、895円の売り指値が約定しないことがあります。
そのため損切り目的では、
売却価格を優先するのか、売却成立を優先するのか
を考える必要があります。
初心者が株の逆指値注文を使う具体例
10万円で買った株を10%下落で損切り
1株1,000円の株を100株購入したとします。
投資額は10万円です。
「最大損失を約1万円までにしたい」
と考えた場合、
900円
付近へ逆指値を設定する方法があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入価格 | 1,000円 |
| 株数 | 100株 |
| 投資額 | 100,000円 |
| 逆指値 | 900円 |
| 値下がり幅 | 100円 |
| 損失目安 | 10,000円 |

ただし、実際には必ず900円で約定するわけではありません。
この表はあくまで損失を考えるための目安です。逆指値を設定しても、実際の約定価格は市場状況で変わります。
株の逆指値注文を設定するメリット3つ
1.損失を事前に決めやすい
株を持っていると、
「もう少し待てば戻るかもしれない」
と考えて損切りできなくなることがあります。
逆指値を設定すれば、
どの価格まで下がったら売るか
を購入時点で決められます。
2.株価をずっと見なくてもいい
会社員の場合、仕事中に株価をずっと確認するのは難しいでしょう。
逆指値なら、条件を設定しておけます。
3.感情による判断を減らせる
株価が急落すると、
「怖くて売れない」
「もう少し待とう」
と判断がぶれることがあります。
あらかじめルールを決めておくことで、感情に左右されにくくなります。
日本株と米国株の違いも確認すると、取引時間や売買単位の違いを整理できます。
株の逆指値注文の注意点5つ
1.トリガー価格で必ず売れるわけではない
最も重要な注意点です。
900円をトリガーとして成行注文を設定しても、必ず900円で約定するわけではありません。
特に、
- 決算発表
- 業績下方修正
- 不祥事
- 相場全体の急落
などでは、株価が大きく飛ぶことがあります。
2.逆指値を近く設定しすぎるとすぐ売られる
1,000円で買った株へ、
990円
など非常に近い逆指値を設定すると、通常の値動きだけで売却される可能性があります。
株価は毎日上下します。
少し下がっただけで損切りすると、その後上昇した場合に利益を逃すことになります。
3.逆指値を遠く設定しすぎると損失が大きくなる
逆に、
1,000円で買った株に700円の逆指値
では、300円下がるまで売却されません。
100株なら、
300円 × 100株=3万円
の値下がりです。
逆指値を設定するだけで安心せず、
自分はいくらまで損失を許容できるか
から価格を考えましょう。
4.設定しただけで必ず約定するとは限らない
特に逆指値後の執行条件を指値にしている場合、相場急変時には約定しないことがあります。
逆指値は、
「設定価格で必ず売る仕組み」ではなく、「条件に達したら注文を出す仕組み」
と理解しておきましょう。
5.すべての証券会社で同じ機能ではない
JPXの用語解説によると、株の逆指値注文は東京証券取引所そのものの注文機能ではなく、各証券会社が提供するサービスです。
そのため、
- 逆指値に対応しているか
- 成行・指値を選べるか
- 注文期限
- OCO注文への対応
などは証券会社によって異なります。
口座開設前に確認してください。
DMM株では逆指値注文を使える?
現物取引でも逆指値に対応
DMM株の注文方法FAQでは、2026年8月時点で国内株式の注文方法として、
- 成行
- 指値
- 逆指値
- OCO
を案内しています。
逆指値ではトリガー価格を入力し、株価がその価格へ到達した場合に、
- 指値
- 成行
のどちらかで注文を出す設定が可能です。
初心者の場合、注文画面では、
- 売却する銘柄
- 株数
- 逆指値
- トリガー価格
- トリガー到達後の注文
- 注文期限
をよく確認してから発注しましょう。
OCO注文なら利益確定と損切りを同時に設定できる
1,200円で利益確定・900円で損切りも可能
逆指値と一緒に覚えておきたいのがOCO注文です。
DMM株の国内株式クイックガイドでは、指値と逆指値を同時に設定し、一方が成立するともう一方が自動的に取り消されるOCO注文に対応しています。
たとえば1,000円で買った株なら、
- 1,200円になったら利益確定
- 900円になったら損切り
という2つの条件を設定できます。
上昇した場合と下落した場合の両方を事前に決められるのが特徴です。
逆指値はいくらに設定すればいい?
一律の正解はない
「購入価格から5%下」
「10%下」
などのルールを見かけることがあります。
しかし、すべての銘柄に同じ数字を使えばよいわけではありません。
株によって値動きの大きさは違います。
設定する際は、
- 自分が許容できる損失額
- 株価の値動き
- 投資期間
- 購入理由
- チャート上の節目
などを考えます。
初心者の場合は、まず、
「この株で最大いくらまでなら損失を受け入れられるか」
を金額で考えると分かりやすいでしょう。
逆指値を使う前に損失額を計算しよう
たとえば、
- 購入価格:2,000円
- 株数:100株
- 逆指値:1,800円
なら、価格差は200円です。
200円 × 100株
= 2万円
が損失の目安になります。
投資前にこの数字を見て、
「2万円なら許容できる」
「2万円は大きすぎる」
と判断します。
先に投資額を確認したい人は、
も参考にしてください。
逆指値を使っても損失を完全に防げるわけではない
逆指値は便利ですが、元本保証の機能ではありません。
たとえば前日終値が1,000円でも、翌朝の寄付きが800円になることがあります。
900円に逆指値を設定していても、900円を飛び越えて800円付近から取引が始まれば、想定より大きな損失になる可能性があります。
逆指値を設定したから安全、という考え方は避けましょう。
株の逆指値注文についてよくある質問
株の逆指値注文とは何ですか?
株価があらかじめ指定した価格へ到達したときに、買いまたは売り注文を発注する仕組みです。損失限定のための売却などに利用されます。
逆指値は損切りに使えますか?
はい。保有株が一定価格以下へ下落した場合に売却注文を出す設定ができます。
900円の逆指値なら900円で売れますか?
必ずしも900円では売れません。成行の場合は、その時点の市場価格で約定するため、相場急変時には900円より低くなる可能性があります。
逆指値と指値は何が違いますか?
指値は希望価格以上で売る、または希望価格以下で買う注文です。逆指値は、株価が一定の条件に到達したあとに注文を発注する仕組みです。
DMM株で逆指値は使えますか?
2026年8月時点では、国内株式で逆指値注文に対応しています。逆指値到達後の注文として指値または成行を選択できます。最新仕様は公式サイトで確認してください。
まとめ|株の逆指値注文は損切りルールを自動化できる
株の逆指値注文とは、
株価が指定した価格へ到達したときに、あらかじめ決めた注文を出す方法
です。
たとえば、
1,000円で100株購入
↓
900円に逆指値
↓
900円以下へ下落
↓
売り注文を発注
という使い方ができます。
主なメリットは、
- 損失額を考えやすい
- 株価をずっと監視しなくていい
- 感情による損切りの遅れを防ぎやすい
ことです。
一方で、
- トリガー価格で必ず約定するとは限らない
- 逆指値を近くしすぎるとすぐ売られる
- 遠くしすぎると損失が増える
- 指値では約定しない可能性がある
- 証券会社によって機能が違う
という注意点があります。
逆指値は損失をゼロにする仕組みではありません。
自分が許容できる損失額を決め、その範囲から逆指値価格を考えることが重要です。
成行と指値そのものがまだ分からない人は、
から確認してください。
投資に関する注意事項
株式投資には価格変動リスクがあります。
逆指値注文を利用しても、急激な相場変動や流動性の低下などにより、想定した価格で約定できない場合があります。
投資元本や利益は保証されていません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。過去の株価や実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
株式投資で利益が生まれる仕組みは、値上がり益・配当金・株主優待の解説も確認してください。

